2022/10/23
みなし贈与
投稿者: 新居亘
贈与税について
贈与は、相手(贈与者)があげるという意思表示をし、自分(受贈者)がもらうという意思表示をしたときに成立します。
そして1月1日から12月31日までの1年間で、基礎控除額である110万円以上の贈与を受けた人は、翌年2月1日から3月15日までに「贈与税の申告」をして、贈与税を納めなければなりません。
基礎控除額の110万円は、受贈者ひとりあたりの金額です。複数の人から贈与を受けた場合は、その合計金額から110万円を引いた額に贈与税がかかります。たとえば、父親から100万円、母親から100万円もらった場合、合計金額が110万円を超えているため、200万円 – 110万円=90万円に対して贈与税がかかる、ということです。
なお、仕送りなどの生活費は贈与税の対象とならず、その他にも条件に当てはまれば110万円以上の贈与でも非課税になる特例もあります。
「みなし贈与」ってなに?
さてここで、「贈与ではなく売買契約にすれば、贈与税がかからないのでは?」と考える人もいるかもしれません。たとえば、「本当はタダであげたいけれど、贈与税の負担をなくすために、1,000万円の土地を100万円で売る」というような場合です。
しかし、残念ながらこのケースだと、「みなし贈与」として贈与税が課税される可能性が高くなります。
みなし贈与とは、一般的な価格との差額分を贈与したとみなして税金かけますよ、という制度です。上記の例でいえば、差額の900万円がみなし贈与の対象となります。
なお、故意ではない場合も同様です。「他の人がやっても税務署から指摘されなかった」、「むかし実施したけれど税務署から連絡が来なかった」などの理由で放っておくと、税務調査を受けた時に追徴課税の対象となるかも知れません。
過去のやりとりも含めて、贈与に該当するかもしれないと思い当たることがあれば、一度税理士さんにご相談することをおすすめします。