2023/05/24
光害
投稿者: 山田英昭
いーらーかーのなーみーと
くーもーのーーなみー♬
かーさーなーる なーみーのー
なーかーぞーらーをー♬
・・・中略
こーいーのーぼりー
こいのぼりの歌である。
休日の日に近所を散歩しながら遠く南を見いやると、家屋の屋根瓦が太陽光を受けて時折表情を変えながら光を反射する様は、まっこと風情があり5月の風物詩とさえ思ってしまうほどである。
歌いだしの、いらか というのは甍
つまりは屋根の瓦。
確か中学生の時かな?
この時期になると、授業などは上の空で窓の外を見やり、屋根が織りなす光の演出と雲のなみを眺めては、この歌をそらんじてた気がする。
あー
楽しいなー! って
そのころの屋根の形といえば、おおむねは切り妻か寄棟。
ゆえに遠く南を見いやると、このような甍のなみがきらきら輝いて、歌の様を表す風景がどこでも見れたのかもしれない。
そして雲の波も
時は40ウン数年が流れ、太陽光発電設備の恩恵がどなたに於かれても享受できるこのご時世。
切り妻の屋根は、その多くの姿は片流れに変え、太陽熱の恩恵を力いっぱい受けるかたちに姿を変えました。
電気消費量が大きく跳ね上がり、核家族化が進み、じいちゃんばあちゃん 父ちゃん母ちゃん ぼくとおとうと なんて大家族で過ごす家庭は皆無に等しい現代において、家計の助けになる太陽光発電は、電気代の前払い!という形で浸透もしています。
太陽光パネルは平板。
つまり、受ける光をそのまんま直球で打ち返す反射板の様なもの。
これがお部屋の中へ侵入してくるとなると、穏やかな話ではありません。
「明るくなって良いわ!」
なんて穏やかに思っていられる時ばかりではありません。
なにせ太陽の熱をそのまま反射する訳ですから、その熱もハンパじゃない事になります。
玄関からこんにちわー!
ならまだしも、縁側からいきなり来たかー!
そうなると決して穏やかな話ではなくなるので、被光害者としては黙っていられないことに成りかねません。
変わらぬ景色は雲のなみ
甍のなみは、光害へとかたちを変えてしまうのか?