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2020/08/10

イタリアの住宅事情

投稿者: 森有生

ふと思い出したので書いてみます。

イタリアの住宅事情。

その前に、イタリアの平均年収って想像したことありますか?

2018年の統計で見るとイタリアの平均年収は29,380ユーロ

1ユーロ124円換算ですと日本人からしたら364万円ですね。

日本の2/3の平均年収という事になります。

そして、物価はほぼ日本と同じ感じです。

例えば、大都市のローマやミラノで買い物なんかをしていると、東京の一等地で買い物や食事をしているのと同じ感覚だと思います。

でも、何となくイタリアの方が高いイメージがあります。

コンビニやスーパーでも割高感がある。

そんな中で地元の人々は暮らしています。

町の中心部界隈に住居を考える場合はほとんどがアパートメントです。要はアパートで賃貸です。

一軒家を希望するなら郊外になります。

イタリアの建物は建て替え時の規制が厳しく、一軒屋を購入してリフォームしようとしても、部屋それぞれの用途すらも変えられない場合があります。

アパートメントも間取り・構造そのものには手を出せず、内装デザインの勝負です。

そんな事情があり、街中に住んでいる人は富裕層を除き、ほぼ賃貸。

買おうと思うと高すぎて買えなんですよね。

一生アパートで賃貸暮らしという人も多く居ます。その状況におかれていますので、インテリア勝負!となる訳です。

だからこそ、良い家具やより良いデザインを求めていくようになりました。

マテリアル・デザインが求められるようになり、高額な家具でも購入されます。勿論、一般的な所得の人でも購入します。

そこが日本と大きく違う部分です。

日本は住居を所有します。マンションでも、一軒家でも所有する。

都心でも一軒家を買う事は不可能ではありませんよね。この場合は物件にお金をかけすぎて内装デザインは忘れ去られた存在になります。

やはり国により内情が違う為、日本ではデザインやマテリアルに拘りを持つ人が少ないという傾向になってしまう様です。

2/3の所得で僕達日本人よりもより高額な家具を買っていくイタリア人。

それは与えられた条件の中でより良い暮らしをする為に導き出された答えなんだと思います。

やはり文化の違いですかね、、、

建物の統一感も素晴らしいですもんね。

日本では、購入できてしまうので選べる範囲が広すぎます。

そして、流行り廃りでデザインも決まってしまいます。

何も変わらない普遍的なモノがあるなら、江戸の町並みをそのままずっと残し続けた方が良かったのかも。

ですが、日本は高度経済成長をしてしまった国です。

その際に一気に住宅の需要が上がり、現在の住居体系になっています。

スクラップ&ビルドです。

当時はこんな未来があるなんて想像もしなかったと思います。

ある意味、日本らしさが失われてしまった現在です。

色々な国の事情を知ると住宅も楽しくなりますね。

ふと思い出しました。

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